突然、観た予告編で絶対、劇場で観ようって決めてました。運よく近くのシネコンで観られました。
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筒井康隆の同名小説を、「桐島、部活やめるってよ」「騙し絵の牙」の吉田大八監督が映画化。穏やかな生活を送っていた独居老人の主人公の前に、ある日「敵」が現れる物語を、モノクロの映像で描いた。
大学教授の職をリタイアし、妻には先立たれ、祖父の代から続く日本家屋にひとり暮らす、渡辺儀助77歳。毎朝決まった時間に起床し、料理は自分でつくり、衣類や使う文房具一つに至るまでを丹念に扱う。時には気の置けないわずかな友人と酒を酌み交わし、教え子を招いてディナーも振る舞う。この生活スタイルで預貯金があと何年持つかを計算しながら、日常は平和に過ぎていった。そんな穏やかな時間を過ごす儀助だったが、ある日、書斎のパソコンの画面に「敵がやって来る」と不穏なメッセージが流れてくる。
定年後の自分の生活をどっぷりと意識している最中だったので、この作品を観るタイミングとしてはこの上ないなーと思っています。モノクロであることも主役が長塚さんであることも瀧内さん、黒沢さん、河合さんの女優さんたちのラインナップ、キッチュさん他、俳優の皆さんもガッチリとハマっていてここ数年観た作品の中で最高の作品でした。
「怖い映画」というとホラーやサスペンスや「日常に潜む」的なモノを想像しがちですが、年を取れば誰にでもやってくるであろう、今まで映画では語られてこなかった「怖さ」を感じる映画でした。